アパートローンに5年ルールはない — 変動金利の返済額はいつ、いくら上がるか
公開: 2026年9月3日この記事は時期によって変わる情報を含みます。制度の最新情報は必ず公式サイトで確認してください。
なぜ違うのか。5年ルール・125%ルールは、住む人の家計を守るために銀行が住宅ローンに付けている慣行です。 アパートローンは事業のための融資なので、基準金利の上昇がそのまま適用金利に転嫁されやすく、 返済額を先送りする仕組みも基本的に付いていません。 実際に、国内銀行の新規長期貸出金利の平均は2025年11月の1.425%から2026年4月には1.790%へ上がり、 アパートローンの変動金利は2024年春の1.5%前後から2.2〜2.7%前後(銀行によっては2.4〜4.4%)まで来ています。
返済額がどれくらい動くか、目安を出しておきます(いずれも元利均等返済元利均等返済(がんりきんとうへんさい)毎月の返済額(元金+利息)が一定の返済方式。序盤は利息の割合が大きい。住宅ローンの主流。)。
- 借入5,000万円・30年:金利2%で月約18.5万円 → 3%で約21.1万円 → 4%で約23.9万円。2%→4%で年間の返済が約65万円増える計算です
- 残債3,000万円で金利+1%:月約1.4万円、年間約17万円の負担増
- 月15万円の家賃収入の物件で金利+1%分を家賃で取り戻すには、家賃を約10%上げる必要があります
最後の数字が現実の厳しさです。借地借家法のもとでは既存の入居者の家賃はすぐには上げられず、 上げられるのは入れ替わりのタイミング。東京23区のように募集家賃が上がり続けているエリアなら吸収できますが、 募集家賃を下げている地方の物件では金利の上昇分をそのまま大家が自腹で被ることになります。 金利が上がって家賃が上がらないと、イールドギャップイールドギャップ物件利回りとローン金利の差。差が小さいと、借りて買う意味が薄い。実質利回り−金利で1.5%以上が一つの目安。(利回りと金利の差)が縮んで手残り手残り(てのこり)家賃収入から空室損・運営費・ローン返済を引いて手元に残る現金(キャッシュフロー)。投資が成立しているかを決める一番大事な数字。が消える、というのが今回の打撃の正体です。
いまの金利+2%でも手残りが残るか確かめる