利回りノート

事故物件と告知義務 — 何年言うべきか、国のルールで決まっています

ポイントを分解します。まず告知が要らないもの:老衰・病死などの自然死、 転倒や誤嚥(ごえん)など日常生活の中の不慮の死。 人がどこかで亡くなること自体は当たり前にあることで、これを全部「事故物件」と呼ばない、 というのがガイドラインの出発点です(ただし発見が遅れて特殊清掃が入った場合は告知の対象になります)。

  • 賃貸:告知対象の死からおおむね3年間は告げる。3年経過後は原則不要。 ただし借主から聞かれたら、期間に関係なく答える義務があります
  • 売買:期間の線引きがありません。何年経っていても、 取引の判断に影響する事案なら告知が必要と解釈されています。売買の方がずっと重い
  • 隣の部屋・共用部:原則として告知不要(社会的に大きく報道された事件などは別)

買う・借りる側の実務はシンプルで、「告知事項はありますか」と書面(メール)で聞くこと。 聞かれたのに隠せば告知義務違反で、契約解除や損害賠償の根拠になります。 あわせて事故物件の公示サイト(大島てる)で住所を見る人も多いですが、誰でも投稿できるサイトなので誤情報もある——参考程度にして、正式には重説で確認してください。

投資対象としての事故物件も、数字で冷静に見ておきます。 価格は賃貸で1〜2割、売買で1〜3割安(他殺はさらに下)が相場観。 利回りは高く出ますが、①金融機関によっては融資が渋い ②客付けの母数が減る ③売るときずっと告知が付いて回る(売買は無期限)——という三重の割引が理由です。 割安さがこの三重苦への対価として十分か、という目線で判断してください。 「狙われる罠」で書いた通り、相場より安いものには必ず理由があります。