とちノート

狙われる罠 — 「新築ワンルーム投資」と営業トーク

まず大原則から。本当に儲かる物件は、あなたに電話がかかってくる前に消えます。 業者が自分で買うか、付き合いの長いプロ客に即日で売れるからです。 見ず知らずのあなたに営業コストをかけてまで売りに来る物件は、 「プロが要らなかったもの」だと考えるのが出発点です。

そのうえで、新築ワンルームがなぜダメなのかを数字で見ます。

① 買った瞬間に2〜3割の含み損:価格には新築プレミアムしんちくぷれみあむ新築プレミアム(しんちくぷれみあむ)新築物件の価格に上乗せされている「新品であること」の割増分(販売経費・広告費・利益込み)。入居者が一度でも住めば中古になり、この分の価値は消える。新築ワンルームが買った瞬間に2〜3割値下がりする主因。(販売経費・広告費・利益)が乗っています。3,000万円で買った部屋は、 鍵を受け取った瞬間から中古になり、売値は2,200〜2,500万円の世界です。② 毎月の持ち出し:「月々わずか1〜2万円の負担で将来の資産に」というトークは、収支が赤字だと認めているということ。35年続ければ数百万円の持ち出しで、金利が上がればもっと膨らみます。③ 土地がほぼ無い:区分マンションの土地持分はごくわずか。積算評価せきさんひょうか積算評価(せきさんひょうか)土地値+建物残存価値で担保価値を測る方法。銀行融資の評価軸の一つ。積算価格≧売価なら「土地値で買える」堅い物件。がほぼ出ないので銀行の担保評価がつかず、次の物件を買うときの融資枠を潰します(「1件目は信用を買え」の真逆)。

営業トークの実態も分解しておきます。

「節税になります」損益通算そんえきつうさん損益通算(そんえきつうさん)不動産所得の赤字を給与所得と相殺して税金を減らす仕組み。「節税になります」営業の根拠だが、経費にできるのは主に初年度の諸費用と減価償却で、続くなら単に物件が赤字なだけ。のことですが、効果が大きいのは諸費用を経費にできる初年度だけ。 2年目以降も「節税」が続くなら、それは単に物件が赤字なだけです。「保険代わりになります」団信だんしん団信(だんしん)団体信用生命保険。契約者死亡・高度障害時にローン残高が完済される。金利上乗せで疾病保障を広げる商品も。のこと。ただし毎月赤字の物件を保険料として払い続けるより、掛け捨ての生命保険のほうがずっと安い。「家賃保証があるので安心」→ 前の項目「サブリース」の通り、保証賃料は減額され得ます。「今だけ」「この場で」→ 不動産に「今だけ」はありません。急がせるのは考えさせないためです。

営業された物件の数字をシミュレーターで検算する