利回りノート

融資期間と耐用年数

「構造と耐用年数」の項目で出てきた法定耐用年数ほうていたいようねんすう法定耐用年数(ほうていたいようねんすう)国が決めた「税金の計算に使う建物の寿命」。木造22年・軽量鉄骨19年・鉄骨(骨格材3〜4mm)27年・重量鉄骨34年・RC47年。実際に住める年数ではないが、減価償却と銀行融資の期間に直結する。が、ここで実際に効いてきます。木造は22年なので、築15年の木造なら残り7年。 7年ローンの毎月返済はかなり重く、手残りはほぼ出ません。 同じ価格でも、築浅やRC造(47年)なら長いローンが組めて毎月が楽になる——物件の買いやすさはローンの組みやすさで決まるのです。

では期間は長いほど得かというと、そうでもありません。 長いほど毎月の返済は軽くなり手残りは増えますが、利息の合計は増え、借金の減りは遅くなります。 売るときに「残債(ざんさい:ローンの残り)が売値より多い」と身動きが取れません。期間は毎月の余裕と出口のバランスで決めるものです。

さらに詳しく:期間でどれだけ変わるか

3,000万円・金利2%・元利均等で、期間だけ変えて比べます(概算)。

期間毎月返済利息の合計10年後の残債
15年約193,000円約470万円約1,100万円
25年約127,000円約810万円約1,980万円
35年約99,000円約1,170万円約2,350万円

35年は15年より毎月9.4万円軽い代わりに、利息が700万円増え、10年経っても残債が約1,250万円多い。 投資では「長く借りて手残りを厚くし、売却時に残債を一括返済する」のが定石ですが、 それは売値が残債を上回っている場合だけ成立します。 だから積算評価(土地値の裏付け)とセットで考えるわけです。

残り耐用年数の計算はシンプルで、法定耐用年数 − 築年数。 築12年の木造なら 22−12=10年、築10年のRCなら 47−10=37年。 なお銀行によっては「耐用年数超えでも土地値評価で20年」など独自基準もあり、 ここは金融機関開拓の話(「1件目は信用を買え」参照)につながります。