利回りノート

サブリースをやめたい — 解約の現実と手順

なぜやめられないのか。前の項目「サブリース」で書いた通り、サブリース会社は法律上 「あなたの物件を借りている借主」です。借地借家法は借主を強く保護するので、 貸主(あなた)からの解約には正当事由——自分が住む必要がある、建物の老朽化など、 裁判所が認めるレベルの理由——が必要です。「家賃を直接受け取りたいから」「手数料が高いから」は正当事由になりません。 営業段階で「いつでもやめられますよ」と言われていても、契約書と法律が優先です。

そのうえで、実務の3ルートです。

  • ① 合意解約:一番多い決着。会社と交渉し、解約金(立退料)を払って合意で終わらせるルートです。 相場は保証賃料の6ヶ月分前後と言われますが、法律で決まった額はなく完全に交渉次第。 会社側も空室だらけの物件は抱えたくないので、 入居率が低い物件ほど交渉は通りやすくなります。書面(合意解約書)は必ず交わすこと
  • ② 更新拒絶:契約満了の6ヶ月〜1年前に更新しない旨を通知する方法。 ただしここでも正当事由が要求されるため、通知だけで終われるとは限りません。 弁護士(不動産・借地借家に強い事務所)に依頼して進めるのが現実的で、 費用は数十万円規模を見込みます
  • ③ サブリース付きで売る:解約せず、契約ごと買主に引き継いで売却する出口。 ただし買主から見ると「家賃が保証賃料に固定された物件」なので、査定は1〜2割下がるのが普通です。それでも持ち続けて消耗するより 合理的な場合があります

逆方向の話も知っておいてください。会社側からの「保証賃料の減額請求」や解約は法律上できてしまうという非対称があるので、減額通知が来たときに「応じなければ解約すると言われた」という相談が典型です。 2020年のサブリース新法(賃貸住宅管理業法)で、勧誘時の誇大な説明や リスクを隠した契約は禁止され、契約前の重要事項説明が義務になりました。説明義務違反があった場合は交渉材料になるので、当時の資料・録音・パンフレットは捨てずに。

さらに詳しく:動く前のチェックリスト
  • 契約書の「契約期間」「更新」「解約」「賃料改定」の条項を全文読む(解約予告の期間と条件)
  • 直近の入居率と、保証賃料と実際の家賃収入の差(会社の取り分)を整理する
  • 勧誘時の資料・説明の記録を集める(2020年新法の説明義務違反の有無)
  • 相談先: 不動産・借地借家に強い弁護士、各地の宅建協会・住宅紛争処理の窓口。初回相談は数千円〜無料
  • これから契約する人へ: 解約条項・免責期間・減額条項を読んでから判を押す。この項目を読んでからでも遅くありません
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