とちノート

サブリース — 「30年家賃保証」の正体

お金の流れはこうです。あなた(オーナー)→ サブリース会社が借主として一棟を借りる → 会社が入居者に転貸(てんたい:また貸し)する。 会社の儲けは「入居者からの家賃」と「あなたへの保証賃料」の差額です。 新築アパートの営業とセットで「30年一括借上げで安心です」と提案されることが非常に多い商品です。

知っておくべき落とし穴は5つあります。

① 保証賃料は減額される:契約書には必ず「数年ごとに賃料を見直す」条項があります。 しかも法律上(借地借家法)、借主であるサブリース会社には賃料の減額を求める権利があり、 裁判でも認められやすい。「保証」という言葉と実態が一番ずれているのがここです。② 免責期間:新築直後や退去後の1〜3ヶ月は保証が出ない契約が普通です。③ やめにくい:法律で保護されるのは「借主」= 業者側。 オーナーからの解約には正当事由が必要で難しく、業者からは解約できる、という非対称な関係です。④ 細かい収入は業者のもの:礼金・更新料は業者取り、修繕は指定業者で割高になりがち。⑤ 会社が倒れたら保証も消える:2018年の「かぼちゃの馬車」事件では、 保証会社の破綻でオーナーに残ったのは満室想定の借金だけでした。

なお2020年に規制の法律(賃貸住宅管理業法)ができて、 「家賃保証」の誇大広告や強引な勧誘は禁止され、契約前の重要事項説明が義務になりました。 それでも減額リスクそのものは合法のまま残っています。規制ができた=安全になった、ではありません。

使いどころが無いわけではありません。遠隔地の物件で完全に手間をなくしたい、 空室リスクを固定化したい、という人には合理性があります。 比較対象は管理委託(家賃の3〜5%)。満室が読める立地なら委託のほうが手取りは多く、 空室が読めない物件なら「そもそも買っていいのか」から考え直すのが筋です。

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